(※ムラマサ骨格矯正センターでは、頭蓋骨の美容施術を通じてグリンパティックシステムのサポートも行っています。このページの内容をご理解いただくことで、一般的に漠然と捉えられがちな美容施術の“裏側”にある仕組みがイメージしやすくなり、ポジティブな納得感を得られるはずです。そうした理解は、美容・健康効果をさらに高めるだけでなく、将来的なうつやアルツハイマーなど脳のトラブル予防にもつながると考えています。やや専門的で難しい部分もあるかもしれませんが、ぜひこの情報をきっかけに知識を深めていただければ幸いです。)
※以下、本文
人の脳は生きるにあたり、ものすごい量のグルコース、カロリーを消費します。なんと、成人の全体重の2%程の脳が、総カロリーの20%程を消費するとのこと。
脳や全身が発達する未成年では、もっとすごいことに30%以上とも、ピークの5-6歳児では総カロリーの60%も消費すると言われています。
大雑把な表現になりますが、人間は大量に食べれば、その分大量の毒性排泄物を出します。これと同じで、細胞で大量の栄養を消費すると大量の毒性の老廃物を出します。
脳や脊髄の間質(細胞間)には老廃物や余剰の脳脊髄液がたまりやすくなっています。
だから、頭の老廃物の処理はとても重要です。
そして、脳の細胞から老廃物をトイレのように洗い流す仕組みがそなわっています。
それが「グリンパティックシステム」。
グリンパティックとは、
『グリア細胞が仲介して脳内の老廃物をリンパ管のように排出する仕組み』を指す造語です。
脳全体でのグリンパティックシステムの稼働をイメージしやすいYoutube動画がありますのでご紹介します。
※事前の解説画像
⇒グリンパティック脳洗浄のYoutube動画はこちら
※動画9:03~9:29の間を見てください。
30分間のグリンパティック洗浄の様子が早送りでループされています。
脳内に流入する洗浄液=脳脊髄液の流れが赤い波で表されています。
◆具体的な仕組み
これを理解するには「グリア細胞」と「リンパ管」について少し説明が必要になります。
※グリア細胞について
脳の細胞は2種類に分けられます。
(1)神経細胞(=ニューロン)
⇒
複雑なネットワークを形成して情報を処理、伝達する細胞。
(2)グリア細胞(脳内の神経細胞以外の細胞の総称)
⇒古くは神経細胞同士を接着する糊のようなもの=神経「膠」細胞(膠⇒ニカワの意)と考えられていましたが、現在では神経細胞の機能維持、栄養供給、免疫応答など、様々な働きを持つと判明。
※リンパ管について
一般に血管というと、多くの方に動脈⇒静脈の組み合わせで覚えられています。が、実際は動脈⇒静脈+リンパ管のセットで覚えるのが現実的です。
私たちの体では、動脈を通ってくる血液が、細胞に酸素や栄養を届けます。
細胞はその後、不要になった二酸化炭素や小さな老廃物を静脈に送り返しますが、細胞の間に残ったわずかな水分と、静脈では取り込めない大きめの老廃物は、リンパ管が回収します。
リンパ管はまるで排水路のように、体の中の余分な水分やゴミを集めて濾過し、最終的には再び血流へ戻してくれる大切なしくみです。
しかし、脳の中身・実質細胞には生物的な事情により「リンパ管」がなく、脳を包む硬膜に「髄膜リンパ」が存在するのみです。ごみを排出する機能がないと、毒性の老廃物をかかえこんで脳細胞がどんどん死んで大変なことになります。
そのため、リンパの無い脳の細胞では、リンパ管に代わるグリンパティックシステムが存在します。
⇒グリンパティック脳洗浄の動画はこちら
◆細かい部分
まず、脳は硬膜という皮に包まれ、脳脊髄液という液体に浸されています。
脳表面には多数の穿通(せんつう)動脈が存在し、
これらは脳の軟膜から脳実質内へと入り込んでいきます。
そして、脳細胞へ酸素・栄養を供給して、穿通静脈として再び表層へ戻り、静脈洞や表層の静脈に流入します。
この
穿通動脈
→毛細血管
→穿通静脈
という構造単位が、
脳全体に複数びっしりと広がっています。

プロセスとして、
まず脳内に脳脊髄液ではなく濾過された純粋な「水」のみが流入、
(ゲート=アストロサイトの足突起、アクアポリンの働きによる)
直線的な水の流れが起きます。

同時にISF(脳の間質液)が対流を起こし、
多くの毒性老廃物を巻き込んで細静脈周囲腔に排出します。
グリンパティックシステムの最小単位での洗浄をイメージしやすいYoutube動画がありますのでご紹介します。
※事前の解説画像

⇒グリンパティック洗浄の拡大3Dモデル動画はこちら
※動画10:33~10:49の16秒間
こうして脳の実質細胞の外に掃き出された老廃物を含む脳脊髄液は、
・頭蓋底の孔
(脳から顔に通じる脳神経の孔など)
・骨縫合
を通じて顔面・頸部リンパ管網へ排出し、最終的に深頸リンパ節で処理されます。
最近の論文では、髄膜リンパ内のリンパ液が、
頭蓋骨の縫合付近にある小さな孔を貫通する
「導出静脈」に寄り添うリンパ管を通じて、
硬膜内から頭皮の皮下組織のリンパ管に流れ込んでいることもわかっています。
https://www.nature.com/articles/s41392-025-02177-z#:~:text=the%20authors%E2%80%99%20research%20team%20discovered,80%20Hence